BUSINESS
医療ガス
キセノン
キセノンは医療用途として主に、CTスキャナーの造影剤として使用されています。
(医薬品の製造販売承認認可を受けています。)
またキセノンは、重たくてイオン化し易いという性質から、X線検出器にも利用されています。
(キセノンは、X線を減ずると共にこれを電気信号に変える役割を持っています。人体検査に使われるX線CTやX線厚み計等の検出器に封入されています。)
さらに、キセノンの麻酔作用は古くから知られていましたが、最近の研究で、麻酔能力、鎮痛能力、副作用等の全ての面で、現行の麻酔ガス(亜酸化窒素= 笑気ガス)より優れるという報告がなされ、再び注目が集まってきています。
日本語名 | キセノン | |
英語名 | Xenon | |
分子式 | Xe | |
分子量 | 131.29 | |
沸点 | -108.13℃ | |
融点 | -111.80℃ | |
臨界温度 | 16.6℃ | |
比重 | 4.42(空気=1、0℃、1013hPa) 空気中に非常に微量 (0.087ppm)存在する。 | |
ボンベ色 | ねずみ色 | |
荷姿 | キセノンボンベ | :3.4L 10L 20L 47L |
最大充填量 | :200L 600L 1100L 2500L | |
(最大充填量の圧力は、約5.3Mpaです。) |
キセノンの特性等
- 無色、無臭の気体。
- 空気より重い。
- 溶解性 : 1mLは、温度20℃、気圧1013hpaで水9.2mlに溶ける。脂肪類にも良く溶解する。
(人体脂肪に溶けやすく、脳組織中等への拡散、溶解性に優れている性質を持っています。) - 不燃性:きわめて安定な不活性ガス。
- X線の高エネルギー電磁波の透過を防ぐ能力がある。
- 重たくてイオン化し易いという性質があります。
キセノンの取り扱い上の注意
- 容器(ボンベ)には一般的に、気体で充てんされています。→容器転倒注意!
- キセノンが充満してしまうと窒息の危険性があります。→窒息注意!要換気!
- キセノンを使用する場合、空気中の酸素濃度が低下する恐れがあります。 →窒息注意!要換気!
- 使用前に必ずガス名およびラベルを確認して下さい。→ガス取り間違え注 意!
- バルブの開閉は静かに行って下さい。→機器破損注意!
(バルブを開く時は特にゆっくりと。機器破損事故防止の為に・・・) - 容器は固定して作業・使用して下さい。→容器の転倒・破損事故注意!
- 使用後は必ずバルブを閉じて下さい。→ガス漏れ注意!
- 使用前後と使用中1日1回、合計3回は点検を行って下さい。
→(ガス漏れチェック、用具破損等チェック、圧力チェック等) - 容器の保管や使用は40℃以下で行って下さい。→ガス膨張注意!
- 容器は粗暴な扱いをしない事。容器弁が破損した場合、容器が飛んでしまう事があります。→ガス噴出注意!
- 火災の時火炎にさらされると、容器の内圧上昇が激しい場合は、容器破裂に至る場合があります。
→ガス膨張・噴出注意!
キセノンの危険性
- 高濃度になると酸欠による窒息を起こすので、ガス漏れには十分注意し、使用の際は室内の換気を十分に行って下さい。(空気より重いので注意して下さい。漏洩区域内に入る者は陽圧自給式呼吸器を着用し、酸素濃度を測定管理し対応して下さい。)
- キセノンガスが膨張・噴出した場合、容器が飛んでしまう事があります。取扱には十分注意して下さい。